■ヤマサキオサムのBlog - 改革の始まり

改革の始まり

カテゴリ : 
アニメ監督ひねもす日記
執筆 : 
ヤマサキオサム 2009-4-8 15:58
2009年4月6日午後、弊社ワオワールドの会議室に日本のアニメ業界を代表する各社プロデューサー総勢十数名にお越しいただき、今後のアニメ業界のあり方について非公式な会合を開いた。

まだ非公式な会であり、これによってどこまで業界の改革が進むかが未知数なため、実際の参加者名は今は伏せておく。

場所を提供したワオの関係者として、JAniCA発起人の一人として、また専門学校で学生たちを指導している講師の立場としても、この会合が"日本のアニメ業界の改革の一歩"となることを切に望んでいる。

この会合の切っ掛けになったのは、もう何年も前から私が訴えていた「新人動画マンの経済的な惨状が、結果的にアニメ業界全体の技術体力の低下につながっている」との思いに、志の高い各社の代表プロデューサー諸氏が賛同してくださったからと感じている。

特に今回の会合を仕切り、意見交換の場を纏めてくださったジーベックの下地社長には、大変なご苦労が予想され頭の下がる思いである。どうもありがとうございました。

以下、下地社長の了解を得たので、その時に配布された会合の趣旨書をご紹介させていただく。

(この後数枚、ジーベックとしての改善案が続くのであるが、各社の立場や意見を配慮し今は控えさせていただく)

いずれにせよ、日本のアニメが2Dを中心に今後も作品制作を行なっていくのであれば、アニメーターの、特に新人アニメーターの優秀な人材の確保を行なう必要が有る。

そのための雇用体形の改善は、一刻も早く行なうべきだと思う。

アニメ業界は今、自助努力でなんとか状況の改善を図ろうとしているが、本質的な改善が大変難しい状況にある。

なぜならそこには関連各社の立場の違いがあり、動画協会に所属する出版・音楽・玩具等のスポンサー各社との力関係がアンバランスだからである。
アニメ産業育成のためには、国や都の行政機関が現状を正確に把握し、行政指導の形で『トップダウンによる制作予算配分の流れ』を作っていただくことが最も望ましいのではないかと私は感じている。

現在、アニメ業界は同じ作品に関わりながら、年収数千万円を稼ぐ人間と百万円前後しか稼げない人間が共存している。

それが、技術力やキャリア、作品への貢献度の違いのみで発生しているのであれば理解できる問題なのだが、現状はそうではない。

シナリオ、演出、作画、ペイント、美術、撮影、編集、音響、等の担当セクションの違いによって、不当に儲かる仕事とジリ貧を強要される仕事が存在する業界なのだ。

この状態を放置すると、作品制作の根幹が崩れ業界自体が瓦解する危機的状況である事を、我々は意識と行動のレベルで理解しておく必要が有る。

一人では、一社ではどうにもならない問題ではある。しかし、これから先の業界の発展を望むのであれば、是非すべての関係者にこの問題を考えていただきたいと思っている。

JAniCAがその一翼でも担えれば、発起人として参加した甲斐がある。

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