■ヤマサキオサムのBlog - 最新エントリー

今日は端午の節句、こどもの日。

JAniCA公式HP『PROJECT A』のブログで、プロジェクトマネージャーがご案内している通り、
本日昼12時より、BSジャパンで『若手アニメーター育成プロジェクト』の参加4作品が一挙放送されることになりました。
ドキュメンタリーパートは声優・藤田咲さんがナビゲーターです。

また、ニコニコ生放送でも5月7日21時より配信が決定いたしました。
こちらには、神谷浩史さん、森川智之さん、釘宮理恵さんほか、出演声優陣からのメッセージが寄せられることになっています。
ぜひご覧ください。

さて。ここに至るまでには、多くの方々の復興支援の思いがありました。
PROJECT A 【初回限定生産】
3月11日の東日本大震災から1ヶ月半。

「アニメに関わる我々に何か出来ることは無いか?」

JAniCA会員や理事同士で意見が交わされる中、初年度プロジェクトにご参加いただいたアセンション、テレコム・アニメーションフィルム、P.A.WORKSおよびProductionI.G.の4社より「参加作品を震災復興に役立てたい」とのありがたいお申し出がありました。

さらに、「ニコニコ生放送を通じた募金の呼びかけ」「チャリティを目的としたプロジェクト参加4作品のパッケージ販売」とドワンゴさんのご提案もいただき、文化庁と相談の上、JAniCAプロジェクト事務局として全面的に協力させていただくことに決定致しました。

(★→右の画像からチャリティDVDへ飛びます。
「平成22年度若手アニメーター育成プロジェクト」
・DVDには、今回のプロジェクトに参加した4社の作品を収録。
・初回限定生産分をニコニコ直販で販売。

売り上げは東日本大震災の被災者支援のため、
中央共同募金会(http://www.akaihane.or.jp/)を通じ全額寄付されます。
ワンクリックで復興支援ができます。
何かしたい、と感じているアニメファンの皆さま、ぜひご協力よろしくお願いします!)

微力ながら日本が元気を取り戻すためのお手伝いを、我々としてもさせていただけたらと思います。
息の長い応援を発信していきたいものです。

今こそ、アニメの力でしょう。

子どもたちに笑顔が戻りますように…


***
本日、2011年3月11日14時46分ごろ東北地方太平洋沖地震がありました。
日本の地震観測史上最大規模の地震でした。
被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

私は午前より多田かおる先生の13回忌法要に出席し、正午から薄桜鬼OVAの絵コンテ打ち、その後、15時からのメディア芸術コンソーシアム事業の全体会議に出席するため六本木ヒルズへ向かいました。

会場であるヒルズの49階へ到着直前にエレベーター内で最初の揺れを体験しました。
直後、緊急停止アナウンスが有り、エレベーターは49階に停まり、なんとか降りることができました。

その後、長く大きな揺れが続き台場方面ではビル火災も起こっているのが、窓から確認できました。
騒然となった館内で、森ビルのスタッフは安全確保のための指示を出し、パニックにならないよう冷静な対応を促していました。
館内アナウンスでも的確に情報を伝え、危機管理に対する訓練が行き届いていると感じました。

コンソーシアムの会議は16時過ぎにメールで中止の連絡がありました。
その後1時間ほど森ビルのスタッフによる安全確認が行なわれ、エレベーターの復旧を待って地上に降りました。


(大渋滞の甲州街道)

鉄道はJRも私鉄も全線運転を見合わせており、幹線道路は大渋滞になっていました。
徒歩での帰宅を覚悟し、それから3時間をかけて歩きました。

多くの徒歩帰宅者の列の中で、帰宅途中の全てのコンビニや公衆電話は順番待ちの人たちで長蛇の列が出来ていました。

そんな中、小さな不動産屋さんや個人デザイン事務所の入り口に手書きで「トイレお使いください」の張り紙があったことに、災害時の人の思いやりを感じました。


(多くの人々が徒歩で帰宅)

私自身、コンビニのトイレ待ちに10数分、レジ待ちでも同様に列に並んで食料と飲み物を買いました。
パンプスを室内履きのスリッパに履き替えて歩く女性や、高齢の方々も黙々と歩いておられました。

日本の多くの場所で困難な状況が続いています。
自分にできる支援を考えていきたいと感じる一日となりました。


***
フライングドッグ(日本ビクター)のプロデューサーより、『妖刀伝』が3月11日からネット配信されると連絡をいただきました。

『妖刀伝』は25年前に、大貫健一さんをはじめ仲間たちと夢中で制作した私の監督・原案デビュー作です。

原画は黄瀬和哉さん、瀬尾康博さん、神村幸子さん、高橋久美子さん、内田順久さん、西井正典くん等、今では有りえないほど豪華なアニメーターの皆さんが参加してくれていました。
モンスターデザインには故わたなべじゅんいちくん。
主役の綾之介は戸田恵子さん、左近役は井上和彦さんなど、実力派の役者さんたちに演じていただいた、思い入れの深い作品です。

“史実を基にした歴史ファンタジー”というカテゴリーが存在しなかったことから、当時大きな話題になりました。
歴史群像劇は私がもっとも魅力を感じるジャンルです。
今思うと、『地球へ…』や『薄桜鬼』にもこの思いが繋がっている気がします。


【バンダイチャンネル】
劇場版 戦国奇譚妖刀伝  2011年3月11日よりネット配信


【戦国奇譚妖刀伝 公認ファンサイト】




***
また今年も、教え子たちが旅立つ季節がやってきた。

明治記念館にて、アミューズメントメディア総合学院の卒業式と謝恩会が行われた。
ゲーム学科、声優タレント学科、コミック学科、ノベルズ学科、
そして私の担当しているアニメーション学科を含め総勢400名以上の生徒たちが、社会に向けて飛び立って行った。

学校で得た知識と実際の社会経験では違うことも多いと思うが、人とのコミュニケーションの中から学び取り、自らの力で乗り越えていってほしいと思う。

皆さん、ご卒業おめでとう!



謝恩会で生徒たちが贈ってくれた寄せ書き色紙が手もとにある。
「先生を越えられるよう頑張ります」
「新世代のアニメ監督を目指して頑張ります。その時はお手やわらかに!」

彼らの言葉に頬がゆるむ。
おしっ、受けて立ってやろうじゃないか。みんな、頑張れ。
心から応援している。

彼らの未来に幸あれ。




そして、いよいよ明日からJAniCAが受託した文化庁事業
『若手アニメーター育成プロジェクト』の4作品が劇場公開される。
こちらも素晴しい若手のパワーが凝縮されている。

是非ご覧ください。

■ 『万能野菜 ニンニンマン/P.Aworks』
■ 『おぢいさんのランプ/テレコム・アニメーションフィルム』
■ 『キズナ一撃/アセンション』
■ 『たんすわらし/Production I.G』

【上映館】
 新宿バルト9(東京)、 T・ジョイ大泉(東京)、 横浜ブルク13(神奈川)、
 梅田ブルク7(大阪)、 広島バルト11(広島)、 T・ジョイ京都(京都)、
 T・ジョイ新潟万代(新潟)、 T・ジョイ博多(福岡)以上、計8館

 ■「若手アニメーター育成プロジェクト」公開劇場HP


***
『若手アニメーター育成プロジェクト』の完成披露試写会が24日、新宿バルト9で行われました。文化庁の方々をはじめ、お忙しい中たくさんの皆さまにお越しいただき、おかげさまで大盛況のお披露目となりました。関係者の皆さま、本当にありがとうございました。また、夕方のニュースに取り上げてくださったNHK、各新聞社はじめメディアの方々にもJAniCA代表として心からお礼申し上げます。


今回、大画面で4社の作品を拝見して、本当にアニメーションは素晴しいと思いました。人間が持つ想像力、優しさ、笑い、生きていく痛みなどが遺憾なく発揮されていました。
各社プロデューサーがそれぞれの取り組み方について話されましたが、会社ごとの異なる育成意図は大変興味深かったです。
4作品の個性はそこからスタートしていると思います。

トップアニメーターからの指導を受けた若者たちが、これからどのように羽ばたいていくのか楽しみです。

作品の中にとても印象的なシーンとセリフがあり、司会の藤田咲さんの声が震えていましたが、私も感動し鼻の奥がじーんとしていました。いやあ、アニメーションの可能性は人間と同じですね、まだまだ尽きるものではありません。


これら4作品は、いよいよ来週3月5日から新宿バルト9はじめ全国8か所で劇場公開されます。
大阪では毎日放送(竹田プロデューサーいつもお世話になっています!)のご厚意で、3月5日より4週連続でテレビ放映されることも決定いたしました。
バラエティに富んだ作画と企画内容は、一般の方々にももちろん楽しんでいただけると思います。若手アニメーターのパワーをぜひご覧ください。



さて、ここからは少しJAniCAの話を。
このプロジェクトは、我々「アニメーターと演出家の組織JAniCA」が文化庁から受託させていただいた、この分野では初めてとなる大型公的支援事業です。
初めてのことゆえ不慣れなことも多かったのですが、たくさんの方々のお力添えのおかげで、無事に完成披露試写会を迎えることができ万感の思いです。内部的には特にプロジェクトマネージャーの神村さん、桶田さん、本当にお疲れさまでした。

実はこの完成を、私たちは真っ先にご報告したい人がいました。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、ここに至るまでにJAniCAは、芦田代表の率いられた旧執行部時代に内部で少なくない軋轢がありました。ちょうどこの『若手アニメーター育成プロジェクト』が立ち上がった昨年春のことです。
その混乱の渦中に、プロジェクトの完成を心配された『PERFECT BLUE』『千年女優』の今監督(JAniCA発起人)が、当時の芦田執行部にあてメッセージを下さいました。監督が旅立たれる2カ月ほど前のことでした。

その後、芦田前代表らが混乱の責任を取って辞任され、私たち現執行部の人間はピンチヒッターのように組織を受け継ぎました。(もちろん、志はピンチヒッターでは無いと思っています。この体制で次期も継続しようと、来たる27日の理事選挙に向けて皆、正式に立候補いたしました。)

当時から今にいたるまで、反対勢力はありますが、誰もが「文化庁事業を成し遂げたい」「アニメーターの地位向上のためにいい組織にしたい」と黙々と働いてきました。口にこそ出していませんが皆の心のどこかに、今監督にきちんとご報告できるよう…という想いがあったと思います。

「議事録にあった今監督のメッセージを読みたい」という会員の声もいただいていましたので、完成報告と共にここにご紹介させていただきます。

ようやく言える言葉があります。

―――今監督、ありがとうございました。 合掌。



<平成22年6月2日(水)  13:01 今 敏wrote>

「事情はどうあれ、
アニメ制作現場のもめ事でお客に多大な迷惑をかけるべきではないのと同じように、
組織内部における意見の齟齬が外部である文化庁始め、
引いては税金の払い手である国民というお客さんに
迷惑をかけることだけは避けるべきだと私は思います。

様々な意見の対立やすれ違いがあるにせよ、
少なくともこの点において、
エンターテイメ ントを生業にしている方なら異議はないのではありませんか。」



* * *
昨日、『メディア芸術・コンソーシアム構築事業』第二回監督・アニメーター分科会が
六本木ヒルズで開催されました。

【第二回 参加者】
庵野秀明氏(監督・アニメーター)
神村幸子氏(アニメーター)
後藤隆幸氏(アニメーター)
高橋良輔氏(アニメーション作家)
谷口悟朗氏(監督)
鶴巻和哉氏(監督・アニメーター)
前田真宏氏(監督・アニメーター)
ヤマサキオサム(監督・アニメーター、JAniCA代表理事)  ※五十音順


******************** 

16時から3時間に渡り、活発な意見交換がなされました。
今後のアニメーター・演出およびアニメーション業界全体の発展振興のための仕組みづくりに関して、様々な意見が出されました。
アーカイブ・人材育成・国際化・それぞれの問題に対し、すぐには明確な結論が出せるわけではありません。

けれど、何十年も放置されていた事態に皆で問題提起できるようになったこと。これこそが画期的なのだと思います。
“新たなルール作り”への模索がついに始まった気がします。
改革新時代に向け手ごたえを感じた1日でした。

******************** 

さて、この『メディア芸術コンソーシアム構築事業』をはじめ、文化庁事業『若手アニメーター育成プロジェクト』などでJAniCAが大変お世話になっている桶田弁護士に対して、最近さまざまな噂がたっていることは皆さまごぞんじのことと思います。
それらは信憑性が不明確のままネット上で拡大しており、どれも根拠のない誹謗中傷で大変悪質だと私は思います。

桶田弁護士は、2008年8月10日、芦田前理事長のもと第一回会員総会にて、正式にJAniCA
の監事に選任されています。(会則の採択と共に、理事会を構成する理事6名と監査理事1名がこの時選任されています。下記JAniCA会員通信をご覧ください)

「会則の採択、会員種別及び理事会の構成について」
http://www.janica.jp/press/JAniCA08-08-18.pdf

この時から正式に監事となられた桶田弁護士の具体的なアドバイスにより、JAniCAは少しずつですが実績を積むことができました。前執行部時代から現在まで、何年も仕事を共にした仲間を今ごろになって、しかも前執行部が正式に選任した監事に対し、「会員資格がない」「自称監事」「離職を勧告する」と主張するのはどういうことなのか、井上俊之さんも書かれていましたが、私も理解に苦しみます。

「現役理事の声明」ドニカブログ2011年1月5日
http://donica.blog136.fc2.com/page-1.html

また『若手アニメーター育成プロジェクト』における報酬に関しても、悪意の感じられる噂が流されておりますが、こちらも事実とは異なっています。
ネット上で『予算見積もり書』の高額な数字のみがひとり歩きしており、その見積書自体も、事業に未着工の段階で作成された物であり、どこからか漏えいされたようです。(当時の担当者の管理責任も問われるところでしょう)

当時理事でなかった私はこの件を精査するために、先日の理事会(2011年2月19日)にて、ふくだ理事、高林理事(その『予算見積もり書』策定に同意した旧執行部時代から議決権を持つ方々です)に確認してまいりました。
詳しくは2月27日の総会でご説明しますが、監事に対して不正や過払いなどはされておらず、全く問題のない事案でした。

この金額設定は簡単に言えば、アニメ作品を担当している“プロデューサーの仕事”を想像していただくとわかりやすいかもしれません。複数の作品を担当する場合、すべての作品が仕上がるまでの1年間の仕事量を、時給換算では算出しづらいものです。
しかし、文化庁に提出する見積書には単価ベースで細かく書かねば予算の申請はできません。そこで「一般的tな弁護士費用と照らし合わせ、実労働時間を“圧縮”して書かざるを得ない」ことを桶田弁護士は伝え、芦田前代表および各理事が承認したのち、文化庁に提出されたのです。

その試算表記の経緯を伏せたまま、単価の額面だけを問題視する主張には、悪意さえ感じます。
(文化庁事業の収支に関しては、会計検査院の審査を受け、文化庁担当者に正式に公開の許可を得たのち、3月後半ごろ皆さまにお伝えできると思います)

桶田弁護士は、現在も『若手アニメーター育成プロジェクト』をはじめアニメーション業界の地位向上のために1日の大半を費やし、睡眠時間を削って動いてくださっています。(詳しくはまだ判りませんが、実働時間を時給に換算したら数百円になってしまうと思います)
アニメーション業界のために、と各所と調整して下さる志はプライスレスであり、もはや時給換算などできないことです。

こうした事実を知ろうとせずに、(あるいは知っておられるのに伏せたまま)“疑惑”という風評を広める一部の方々が居る事を大変遺憾に思っています。
[JAniCA会員通信2/14号]でご存じの方もいらっしゃると思いますが、私は2月27日の総会でJAniCAの次期理事に立候補いたしました。
会員通信は字数制限(400字)があったので補足しつつ、ここに所信表明をさせていただきます。

◆所信表明◆
『改革新時代〜アニメ制作者全体の地位向上のために』
 私が次期JAniCAで行いたいことは3つあります。

:若手アニメーターの労働環境の改善。
本年度、文化庁より受託した『若手アニメーター育成プロジェクト』の 更なる継続を目指す。
それにより組織の社会的信頼を増し、対外交渉力を身につけ、若手アニメーターの経済的な環境の改善に結びつける。

:ベテランから若手への知識・技術の伝承。
未来のアニメ業界を支える若手を組織的にバックアップすることで、 それを指導するベテラン勢の雇用を生み出す。また、ベテラン勢の優れた技術を継承するために、今まで行われていた“絵コンテ・パース講座”などを継続する。さらにこれらを一般や企業などにも積極的にアピールし、講師などの仕事として繋げていく。当然それに見合った対価をお支払いできるように執行部を上げてサポートする。

:新たなビジネススタイルの開発とアニメ業界の新たなルール作り。
デジタル化、ネットワーク化に伴う時代の変化に対応するため、国や関連企業と協力し新たなビジネススタイルを構築していく。具体的には、桶田弁護士がアニメ部門のコーディネータとなっている文化庁事業『メディア芸術・コンソーシアム構築事業』(現在すでに進行中)に引き続き協力し、業界の新たなルール作りに結び付けていく。

以上、3項目を具体的な目標とし、日本のアニメーション文化の発展に寄与していきたいと思っています。

すべてに流れる基本ポリシーは“働いた人に 正当な報酬を”
そんな当たり前のことさえなされていないこの業界に、地道に一歩ずつ、新たなシステムを提案していきたいと思っています。

(若手の困窮する生活環境を思う時、私の中でだぶる人が居ます。希望を胸に上京したものの、30代で天に召されたかつての仲間Kくんのこと。あの時の無念の思いは私が動く動機のひとつになっています。
真面目な(弱い立場の)人間にしわ寄せがいく構造は、バランスがとれているとは思えず、なんとかすべきだと思っていました)


これらの主旨に賛同して下さり、今回立候補を表明してくれた5名をここにご紹介したいと思います。
私はこの方々を心から信頼しています。もし、彼らと共に新執行部体制を築くことができたら、アニメーターを取り巻く環境の更なる改善が推進できると思っています。

井上鋭氏
主な作品:『人狼』 『猫の恩返し』 『電脳コイル』 『MONSTER』 『スカイ・クロラ』 『パプリカ』 『ポケモンアドベンチャー02』 『メトロポリス』など
井上俊之氏
主な作品:『AKIRA』 『魔女の宅急便』 『MEMORIES』 『千年女優』『電脳コイル』 『スカイ・クロラ』 『攻殻機動隊』 『パプリカ』など
笹木信作氏
主な作品:『新世紀エヴァンゲリオン』 『もののけ姫』 『平成狸合戦ぽんぽこ』 『耳をすませば』 『鋼の錬金術師』 『魔法少女まどか☆マギカ』 『SDガンダム』 『ケロロ軍曹』など
杉野左秩子氏
主な作品:『崖のうえのポニョ』『鬼神伝』『名探偵コナン 』『魔女の宅急便』『おもひでぽろぽろ』『NARUTO‐ナルト』『紅の豚』『河童のクゥと夏休み』など
森田宏幸氏
主な作品:『ぼくらの』 『猫の恩返し』 『電脳コイル』 『パーフェクトブルー』 『イノセンス』 『ゲド戦記』 『ドラえもん』 『魔女の宅急便』 『ホーホケキョとなりの山田くん』など

(五十音順)
先週の金曜日、文化庁の委託事業“メディア芸術・コンソーシアム構築事業”の一環として、アニメーションワークグループの第一回会議が六本木ヒルズで開催されました。

これは、日本最大手のデベロッパー企業であり、森美術館等、文化事業にも力を入れている森ビルが、運営事務局となっている文化庁の来年度の目玉事業です。
具体的には、漫画、アニメ、ゲーム、メディアアート等を“メディア芸術”と位置づけ、国として支援、発展させて行くという構想です。

第一回目の参加者は、NHKをはじめとするテレビ局プロデューサー、動画協会、プロダクションIGやボンズ等の制作会社の社長やプロデューサー、アニメーション美術家連盟やJAniCA等の制作代表者、声優や音響制作事業者等の団体関係者、アーカイブ事業を行なっている明治大学や東京芸大等の学校関係者、データ保存技術の開発を行なっている現像所の技術者、アニメーション研究者、そしてオブザーバーとして、経産省の担当者や出版社、マンガ、ゲーム、メディアアート分野のコーディネータなど総勢35人。

このアニメ部門のコーディネータが、JAniCAでも大変お世話になっている桶田弁護士です。
今回、私はJAniCA代表として「新人アニメーターの最低賃金の確保」と「製作委員会制によって債権化した映像著作権取り扱いの基本ルール作り」などを提案してまいりました。

セクションごとの各意見は非常に興味深く、人材育成、技術や知識の保存・開発に関しては、共通する問題意識を持っていることが判りました。
様々な意見交換がなされる中で、やはり個別の自助努力だけではなかなか解決できない事案だということは、私を含め参加者の多くが感じたようです。

国と文化庁、おそらく今後は経産省等も含め、行政関係者の方々がメディア芸術の育成発展に本腰を入れていただけるかもしれない、と強く感じる会議でした。

今年度は3月まで関係者ヒヤリングを行うため、テレビ局、パッケージメーカー、制作会社、音響制作会社、監督・アニメーターが分野ごとに集い、引き続き具体的な解決策を話し合って行く予定で、桶田弁護士とともに現在その人選をしているところです。


振り返ると今まで我々制作現場のスタッフは、社会に向け意見を述べる場さえありませんでした。
昨年夏のブログに関東経済産業局に掛け合った話を書きましたが、私個人でも6〜7年前からアニメーターの労働環境改善に動いていました。(その動機はまたの機会に)
しかし、残念ながらアニメーターの地位はとても低く、発言力にも乏しかったと実感しています。
後輩のためにと動いても、個人では何も形にできずにおりました。

ここまでたどりつくことが出来た背景には、JAniCA設立に尽力された芦田前代表をはじめ発起人や会員の皆様のお力添えと、また今年度JAniCAが文化庁から受託した『若手アニメーター育成事業』を関係者の皆さまが誠実に進められたこともあり、信頼のひとつになったと感謝しています。

また桶田弁護士がこれら事業の矢面に立ち、アニメ業界と社会を繋ぐために直接働きかけてくださっていることは改革への大きな力です。我々現場関係者が数十年間も形に出来なかった問題を、わずか3年程でここまでセッティングしていただいた事は奇跡的かもしれません。
JAniCA代表として深謝いたします。

今後は、与えられたこの機会を有意義な成果に結び付けられるように各方面と協力し、私たちも更なる努力を重ねていきたいと思っています。


業界の現状は皆さんもご存じの通り、たいへん厳しいものがあります。
しかし、動かなければ何も変わらない。放っておけば衰退していくのは目に見えています。

地道に、誠実に、一歩ずつ。
これが私たち現執行部のやり方です。

そして、これこそがJAniCAの設立理念「アニメーター・演出家の地位向上」、「アニメーション文化の発展に寄与」、「会員の生活向上と福利厚生の充実」に繋がっていくのではないでしょうか。

“メディア芸術・コンソーシアム構築事業”でも着実に意見を述べていきたいと思っています。

監督の1日

カテゴリ : 
アニメ監督ひねもす日記
執筆 : 
ヤマサキオサム 2011-1-28 4:10
『監督の1日って、どんな事をしてるんですか?』
…と、以前から教え子たちによく聞かれる。

監督と言っても人それぞれだし、自分はあまり面白くない人間なのだが、学生たちの何かの参考になるのならと、綴ってみることにした。

昨日は、早朝よりアミューズメントメディア総合学院の授業。縁あって今年で20年。初期の教え子たちは業界の最前線で活躍している。仕事を共にすることもあり、非常にうれしく思う。
ここで学生たちと向き合うと、清々しい気分になる。
先週は尊敬する学院の理事長より肩を叩かれエールをいただいた。

夕方、授業を終え、『百獣戦隊ガオレンジャー』『平成仮面ライダーシリーズ』の舞原賢三監督と合流。
新企画の話で盛り上がる。そして飲み会。2次会まで流れ、気がつくと午前二時を回っていた。タクシーで帰宅。家族と愛犬はいつも起きて待っている。明日の準備を朝まで行う。

3時間ほど仮眠を取ったのち、新作のスタッフ顔合わせで関係者と横須賀に足を運ぶ。
原作者と某出版社の社長にもご挨拶の機会をいただいた。
作品に込められた思いを伺う。いい形でアニメーションに投影していきたいと思う。

夕方、東京に戻り、かねてよりJAniCAのことで連絡をいただいていた奥田誠治さんと会う。
奥田さんからなみき氏や芦田さんたちの考えを伺う。
「『若手育成プロジェクト』を通じ対外交渉力を付け、アニメ制作者全体の地位向上を図っていきたい」
「ベテランによるコンテ・パース講座も引き続き行い、若手への技術継承をしていきたい」と私の考えも伝えた。

夜は、日本閣にて日本動画協会の新年会。
布川郁司理事長や杉並アニメーションミュージアムの鈴木館長、『若手アニメーター育成プロジェクト』の文化庁担当者にご挨拶。育成プロジェクトのマネージャーから、アフレコ情報など進捗報告も受ける。とても順調に進んでいる。

時代の大きなうねりの中で、これからアニメ業界全体がどう舵を取っていくか。
我われJAniCAはどのように帆を張り、会員の未来を守っていくか。
会場では、多くの方と意見交換をした。
深夜、会社に戻り、届いていた絵コンテの原作チェックの確認と修正作業。もうすぐ朝がくる。

明日は(もう今日になっているが)10時より六本木ヒルズにて、森ビルが受託された公共事業『メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業』会議。
我が国のメディア芸術の振興と発展にアニメ制作者がどのように寄与できるのか。
JAniCAとしても発言し改革に向かって一歩ずつ前へ進んでいきたいと思う。
















   ■ 『薄桜鬼』取材−函館五稜郭
JAniCAの執行部対応報告に
「睥嗟事、ふくだ理事および吉田理事による声明文に対する見解」がアップされた。

そこに書いてある「まず『若手アニメーター育成事業』を成功させることが、JAniCAを創設した芦田さんの名誉につながり、全会員とアニメ業界の今後のためになる」という言葉は、そのまま私の思いでもある。

現在、『若手アニメーター育成事業』の4作品は、着々と進行中とプロジェクトマネージャーより報告を受けている。公開される劇場も決定し、アニメ誌にも取り上げていただいた。劇場公開後、毎日放送さんでテレビ放映の見通しもある。関係各位のおかげで順調に進んでいることを大変嬉しく思う。

また、このプロジェクトに参加した若手アニメーターにとっては、
この経験がこれからのアニメーター人生を支える大きな励みになるだろう。
担当作品が多くの人の目に触れることは、クリエーターとしての自信に繋がっていくからだ。悔いのないよう頑張ってもらいたい。

さて、昨年11月9日なみきたかし無料正会員から届いた「 JAniCAへの公開質問書」の件に端を発し、3人の前理事辞任に関して事実無根の噂が広がり、会員や知人からも問い合わせを受けるようになった。

当時、自分は議決権のない一運営委員の立場だったが、あの頃から私の立ち位置は基本的に中立だ。そして個人的には芦田前代表の気持ちは理解できる。

だが、組織としてはどうだろう。
事業を受注し、関係各社への公募をしていたあの段階では、事業を推進させるのがJAniCAとしての義務だと思う。そうでなければ、行政関係者にも、アニメ業界全体にも多大な迷惑をかけることになっていたと考えている。

それぞれの立場で、それぞれの正義がある。
それは当然だろう。
だが、真実は1つ。

難しくはない。
疑問も解けるはずだ。

現在すべてを公平に判断してもらうために、関係者に事実確認をし、時系列にまとめてもらっている。2月27日の総会前には、会員の皆さまに公開する。
全て裏付けの取れる事実だけを列挙する。

そこに感情は入れない。
入れると、偏った正義が生まれてしまうからだ。

心配をされている会員皆さまの、今後の判断材料のひとつにしていただけたらと思う。

「アニメーターとアニメ演出家に少しでもよい環境を」
これはJAniCA設立当初からの芦田前代表、神村元理事他、我われ現場アニメーターの願いのひとつだった。皆でこの目標に向かっていた。

大切なことは、なみき氏の主張する“過去を暴き、正義と悪を決める事”ではない。同じ時間を費やすなら、私は希望を現実にする道を切り拓きたい。

今回の文化庁育成事業を成功させること。
そして、業界が抱えるさまざまな問題を話し合いのテーブルに載せること。
それによって「JAniCAが出来てよかった」と、多くの関係者に思われるような組織にすること。

結果的には、このようなこと全てが、辞任された理事の方々の何よりの名誉回復に繋がり、これからのアニメ業界のため、ひいてはJAniCAの理念に通じると私は信じている。

何十年も先に、JAniCAが素晴しい信頼と実績のある組織に成っていたら
もう、その時にはピンチヒッターの私の名前など誰も憶えてはいないだろう。

だが、この組織を創設したのは誰か?
そこだけは必ず残る。
本当に芦田前代表のためになる事はなんであろうか。

このままJAniCAが内部抗争で瓦解すれば、設立に尽力した全ての人間の思いを、無駄にしてしまう事にならないだろうか。