●第2回「人体構造美術解析画法講座」アフターレポート

5月26日(日)に武蔵野市民会館にて行われました、人体構造美術解析画法講座の模様です。

講義の様子
->写真


午後1時30分〜4時30分
 講座企画運営担当の高見から、講師(モデル)のyuさんにバトンタッチ。

 Yuさんは、自身の体を使い説明し、触ってもらいながら、質問を聴き、答える講義を展開。(詳細は、yuさんのレポートを参照下さい)

文責・高見政良(企画・運営担当)

<目的>
・上半身を構成する関節の構造を知る
・関節同士の連動性を知る

<アプローチ>
・骨格模型とモデル(=講師 以下同義)の動きを観察し、また実際に触れることで理解を深める
・関節角度計を用いて関節の角度を測定する

<講座概要>
・関節角度計を用いた各関節構造の説明
上半身を構成する各関節の詳細な構造を解説した。
脊柱は関節の数が膨大で動きが複雑であるため、関節角度計を用いて頸椎・胸椎・腰椎それぞれの関節を単独で動かした際の角度を測った。更に複合的に脊柱が動いた場合の角度と比較をすることで、実際にどの部位で大きい動きが出ているのかを実際に数値(度数)で確認した。
また着物等の服装による関節の可動域が制限される場合についても触れた。そのため、キャラクターの衣服によって変化する動作表現として重要であることを伝えた。
なお、このセッションでは参加型形式とし、モデルではなく受講者の身体で関節角度の測定をした。

・触診を通じた各関節構造の説明
先述の脊柱の動きをはじめ、肩甲骨と肋骨など複合的で分かりにくい動きの多い関節が占める上半身で、触って確かめることは大変有効である。
肩甲骨と肋骨を、立った状態と寝た状態(仰向け、横向き、うつ伏せ)でどのように変化するかを触診した。
肩甲骨について、腕をあげる角度によって見えなくなる場合がある。更に男性は筋量が多く女性よりも肩甲骨が見えにくいため、今回解説をしながら触診をした。
また肋骨について、側屈した場合の側屈した側の肋骨はどこへ消えるのかを触診しながら確かめた。

・モデルのスケッチ
脊柱の一番下は骨盤から始まっており、骨盤の傾きによって脊柱の動きに大きく影響を及ぼす。そのため骨盤より上の脊柱がどのように変化し姿勢に影響するのかに着目してスケッチを行った。
骨盤のニュートラルポジション、前傾、後傾それぞれ5分ずつ取った。それぞれ説明を入れながらスケッチを行い、その間受講者にはモデルを触って確かめる事は自由とした。
<感想・その他>
積極的な質問が多く、受講者の疑問に沿った講義が出来たのではないかと感じた。
独学で解剖学を学んでいる受講者も多く、机上の解剖学だけで人の動作をイメージすることが難しいとの声が多い。モデルとしてポージングをし、また理学療法士として解説をすることで、受講者がより具体的なイメージを持ちながらアニメーションを作ることができるよう注力した。
興味がある分野であっても、講義を長時間に渡り聞く事はストレスになる部分がある。3時間という長時間の中で、今回は少し受講者が聞く側の時間が多かったように思う。次回からはスケッチの時間を多く取り、実際に手を動かしてもらいながら、より受講者に知識が定着するよう努めたい。

美術モデル/理学療法士yu


参加者の内訳;無料正会員9名、賛助会員4名、一般4名