アニメーター・演出家の個人情報漏洩事件について
2008年7月11日

 2008年6月21日以降、インターネット上に476名のアニメーター・演出家の個人情報(以下「当漏洩情報」といいます。)が含まれたファイル等が無断で公開されている個人情報漏洩事件(以下「当漏洩事件」といいます。)に関し、無限責任中間法人日本アニメーター・演出協会(以下「JAniCA」といいます。)は、当漏洩事件に対する対応について、以下の事項を発表いたします。

1 はじめに
 個人情報の漏洩は、個人のプライバシー権を侵害する違法行為です。
 JAniCAは、被害に遭われたアニメーター・演出家の皆様の心中をお察し申し上げますとともに、当漏洩事件による問題への対応について、JAniCAとして最大限のご助力をすることをお約束します。
 同時に、JAniCAは、当漏洩事件の実行者(以下「当漏洩実行者」といいます。)に対して厳重に抗議します。JAniCAは、当漏洩実行者が反省悔悟の証として、できる限り早期に自ら名乗り出て、事態の収拾に協力することを望みます。

2 当漏洩事件による問題への対応に対するJAniCAの考え方
 JAniCAは、当漏洩事件による問題への対応として、(1)情報の拡散防止措置、(2)事案の真相究明と再発防止措置及び(3)損害に対する補償の3つが必要であると考えます。

(1)情報の拡散防止措置
 2008年7月11日現在、当漏洩情報は、当初のアップローダからはダウンロードできない状態となっておりますが、完全な事態の収束には至っていません。
 現在比較的容易に入手可能な当漏洩情報は、氏名及び住所等の一部がマスキングされていますが、なお個々のアニメーター・演出家を未だに特定することが可能であり、かつ、その一部には当該アニメーター・演出家の名誉を毀損する記載が認められます。
 JAniCAは、検索サイト等、当漏洩情報を公開している関係各所に対し、当漏洩情報にかかる情報の即時削除を要請します。また、日頃、日本のアニメーションを応援してくださっているニュースサイトの運営者の皆様のほか、当漏洩情報をお持ちであるか、その所在(URL)をご存じの方々に対し、当漏洩情報及びそのリンクの削除と取扱いの停止の対応をしていただきますよう、お願い申し上げます。

(2)事案の真相究明と再発防止措置
 JAniCAは、当漏洩事件による問題への対応として、事案の真相解明とそれに基づく再発防止措置の徹底が最も重要であると考えております。
当漏洩事件は、当漏洩実行者をして「bones」との名称が付されていたこと等から、アニメーション企画・制作会社である株式会社ボンズとの関係を指摘する一部報道がされており、同社も7月6日付でこれに関するお知らせを掲載しています。
 JAniCAは、7月8日以降、当漏洩事件に関して株式会社ボンズとの間で協議を開始しており、今後も当面の間、これを継続する予定です。今後、JAniCAは、株式会社ボンズにより実行中の事実調査について、第三者的立場からこれを検証するとともに、調査の状況・結果について、適宜情報の公開を行うことを予定しております。

(3)損害に対する補償
 個人情報の漏洩及びこれに起因して生じた損害に対する補償は、原則として当漏洩実行者及びその関係者と被害者であるアニメーター・演出家の方々との問題です。
 しかしながら、個々のアニメーター・演出家がそのような行動に出ることは難しく、また当漏洩実行者及びその関係者の側からしても、多数のアニメーター・演出家に対して個別対応を図ることは困難であると思われます。
 よって、JAniCAは、JAniCA会員であるアニメーター・演出家の皆様に対して、相談会を実施する等、継続的な取り組みをしていく所存です。

3 被害に遭われたアニメーター・演出家の皆様へ
 当漏洩事件に対するJAniCAの取り組みにご関心をお持ちの方は、下記記載の電子メールアドレスに、氏名及び御連絡先をお申出下さい。ご連絡をいただいた皆様に対しては、当漏洩事件に対する対応状況等について、より詳細で頻度の高い情報提供を行うとともに、JAniCA会員の皆様については、更にご希望に応じて損害に対する補償に関するサポート(上記2(3))を予定しています。
  
連絡先
〒174-0065
東京都板橋区若木1-19-3
開進工業ビル2F-EAST
「無限責任中間法人 日本アニメーター・演出協会」
E-Mail:okeda.daisuke@janica.jp (JAniCA顧問弁護士)

以上