「日本アニメーター・演出協会」記者会見(その1)
平井:では、さらに詳しく「日本アニメーター・演出協会」JAniCAの活動について、ご説明させて頂き、また皆様からの質問にご回答して参りたいと思います。ここからは筆記のため、着席にてお話させて頂くこと、どうぞご了承くださいませ。まず始めに、芦田代表より、協会の基本的な活動プロトコルを説明させて頂きます。芦田代表、どうぞよろしくお願いいたします。

芦田:今、日本のアニメーションがこのままダメになっちゃうんじゃないかっていう事が言われはじめてます。ひょっとしたら、海外のアニメーションはダメにならずに日本のアニメーションだけがダメになる。今、特に東アジアの国では国費を使って、アニメーションを育ててるわけですが、仕上げ以降、もちろん制作や声優さんも含めて、それらはすでに自前で持ってるんですよね。それでどういう動きがあるかというと、育てるのに一番大変なところ(作画・演出)を一本釣りするという、そういう動きが出てきてるわけです。つまり我々を一本釣りするという事ですね。当然ながら、誰もが考える事であり、今そういう状況に来ている。日本のアニメーションを守るっていう事は…、日本人とは言いません。日本で仕事やってる人ですね。それを守るにはどうしたらよいか。どうしたらもっと良くなっていくのか、基本的にはそういう事を考えていく会であると。

平井:はい、芦田代表ありがとうございました。では次に続きまして、まず事前に受付をさせていただきました代表的なご質問に関しまして、事務局よりご回答いたします。こちらの方に事前の質問が届いておりますので、私の方から質問を一つづつ読み上げさせて頂き、そしてご回答頂くという形で、進めさせて参りたいと思います。ではまず最初です。フジサンケイビジネスアイ・日本工業新聞様より、「終局的に貴協会が目指すものは? 制度的あるいは協約的なものを作っての労働条件の向上か。相互理解を高めることによる、強要的でないWinWinな状況の創出か。声優の例にならえば、制度化に伴いベテランが冷遇される、といった可能性もあるので」といったご質問に関しまして、お答え頂けますか。

もうこれでお分かりと思いますが、荒れた仕事をせざるを得ない。それから、こういう状況の中に優秀な人材がなかなか入ってきてくれないという事があります。入ってきても辞めてしまう。こう言っていくと「JAniCAのやりたいのは旧来の労働組合運動か」という風になってしまうわけですよね。そうではない。アニメーション全体を良くするためには、作画と演出ってのはアンパンの餡子みたいなもんですから、そこのところが腐り始めちゃったら、ダメでしょうという事ですね。餡子を包むように、脚本とか、声優さんとか、その他のパートがある。そして、一番外側にパンの皮である、製、制作があるわけですよね。しかし、餡子のところが腐り始めちゃってる、というのが今の状況。そこをどうにかしないと、アニメーションはダメになってしまう。

平井:ありがとうございます。続きまして、同じくフジサンケイビジネスアイ様からのご質問です。「国あるいは行政に求めることはあるのか。国策として持ち上げるのならば、相応の支援があった方が良いと考えるのか。独立性を保つ上で、業界内で解決すべきと考えるのか?」そういったご質問が来ております。では、浜野先生にこちらを答えて頂きます。

レし、精神的サポートでもいいから制度的、側面的支援をきっちりとやってほしいと思うし、この団体としても、そういった声を上げたらいいのではないかなと思っています。働きかけて頂きたい。

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