■レイアウトの歴史講座

「パース・レイアウト講座 歴史編(第7回)」アフターレポート

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 先日7月12日、パース・レイアウト講座 歴史編が開催されました。そのアフターレポートをお送りします。
 いつもと違って今年は新型コロナの影響で、この歴史編の講座もネットによるリモート開催になりました。



これはリモートのための諸々の設備です。
私が喋っている正面で、配信のための手配をしてもらっていました。



今回一番違ったのは、リモート開催である以上、いつもの参考映像が使えなかった点です。
代わりにこのように画面をトレスした参考画像の素材を用意しました。
これは『白蛇伝』の画像トレスです。





これは『どうぶつ宝島』の画像トレスです。
連続した画像を使って動きを追う形にしています。



これは他の画像と違って、 動きを作れるソフト(ここでは絵コンテソフト「e-Conte Board」) を使って
『空飛ぶゆうれい船』の戦闘機の動きを模写した中の一枚です。
講座の中では動画として動きを見てもらって、
各時代の戦闘機の飛行の空間表現の移り変わりを解説しました。



 こういった画像のみの「ポイントが分かりやすかった」というご意見もありましたが、 「参考映像がないのはなんとかしないと…」というご意見も頂きました。 これも反省した上で、今後に生かしていきたいと思います。

◯講座全体の構成

●レイアウト空間の歴史的ポイントになる作品の解説
1;舞台的構図の時代(一方で取り入れられる透視図法とキャラクターデッサンによる空間の明示)
2;キャラクターのための独特の空間の発生・発達
3;キャラクター自身の空間描写・アクション描写の空間の発達
4;都市描写の精緻化と透視図法描写・レンズ的描写の発達
5;キャラのデッサン描写・透視図法描写・レンズ描写の空間の精緻化
6;マンガ・アニメキャラの世界への透視図法描写・レンズ描写の浸透とその発達
7;表現の幅の例としてー広角描写に振り切っている作品、望遠描写に振り切っている作品の解説

●テキストを使った解説
平面構成、キャラクターのための空間造りの基本的手法、透視図法でない遠近法の紹介、画角の問題、上下方向のパースの調整の問題、無意識ズームの仮説等々

※講座内で使用した資料はこちら(pdf形式)

※アンケートに寄せられた感想・リモート開催についての御意見

「なんとなくで解釈していたものを改め考え直す良いきっかけになった。」
「LOにおけるパースや平面構成の歴史の流れを大まかに把握できた、今後作品にかかわっていく中で今日の講義を生かしていきたい」
「音声に多少の問題はあったものの、遠隔地に住んでいる都合上今後の講座でも今回のようなビデオ会議形式で開催されると参加しやすいし助かります」
「とても役に立つお話でした。ただ6時間はあまりにも長すぎて集中が持たなかったです。せっかく聞くならきちんと頭に入れたいので90分毎など回を分けて聞きたかったと思いました。」
「東京から遠方の地域にいるのでとても助かりました。今まで聞きたくてもても聞けない講義はたくさんあったので今後増えてくれると嬉しいです。ノイズが頻発し過ぎて6時間耐え続けるのは少々辛かったです。」
「配信形式の講義や添削が今後も増えて欲しいです。ありがとうございました。」
「参考用のアニメムービーの使用はなんとかしたいですね…。」
「音声ノイズがありましたが、ほぼ問題ありませんでした。今後もぜひお願いします!」
「地方のスタジオも増えてきて、JAniCAのイベントなどに参加できない人も増えてます。ぜひ今後もネットでの開催等をお願いしたいです。」
「素晴らしかった!今度も楽しみにします。」
「講義内容はとても面白く、他にはない歴史の変遷から学べるというとても良い機会でした。ですが、最後1時間予告なく延長されるとこちらも予定がありますので困ります。スチルカメラとシネマカメラについては個人で勉強中でしたので、資料も解説もとてもありがたいです!」
「映像ではなく、画像での説明でも細かく解説をいただきましたので問題ありませんでしたし、私自身はノイズはどうしても起こるもの、だと思っていますのであまり気になりませんでした。他、生徒側は全て音声等オフなので、Youtubeのライブ配信の方が配信側も通信が安定しやすいのでは?と思いました。」
「私はアニメ関係者ではありませんでしたが、講義内容はとてもわかりやすくて勉強になりました。アニメの歴史を追って順に解説いただいたので、時代の流れというか、その時々のパースやレイアウトの違いを比較できて、とても興味深かったです。個人的には「認識による空間」のところ、時間の関係上かけ足だったので、また機会があればゆっくりお伺いしてみたいなと思いました。」
「長時間の講義お疲れ様でした。リモートでの講義と言う事で著作権絡みのご苦労もあったと思います。作品毎に違う作画監督さんの下で悩んできた問題と合致することもあり、それを言語化しようとする試みに感心すると共に、大変意義がある事だと思いました。資料に書かれていて質問したい事もあったのですが、体力が持ちませんでした(汗)内容に入り込み過ぎず絵作りの歴史に絞ったら、時間的にもう少し纏まったかなと言う印象を持ちました。諸々に追われて勉強もままなりませんが、時間が取れれば資料を読み直したいと思います。ありがとうございました。」
「通う事無く受講できるので、家事がある身には有り難いです。音は小さくて、ボリュームを上げると雑音がひどいので、少し聞きずらかったです。」
「とても面白かったです。大学でアニメーション分析の授業も一応あるのですが、それよりずっと濃密で実践的でした。アニメーター志望なので制作への具体的なイメージも持てて大変勉強になりました。次回以降も(定員的に)可能であれば是非参加したいと思います。」
「とても役に立つお話でした。ただ6時間はあまりにも長すぎて集中が持たなかったです。せっかく聞くならきちんと頭に入れたいので90分毎など回を分けて聞きたかったと思いました。」
「東京かれ遠方の地域にいるのでとても助かりました。今まで書きたくても聞けない講義はたくさんあったので今後増えてくれると嬉しいです。」
「ノイズが頻発し過ぎて6時間耐え続けるのは少々辛かったです。配信形式の講義や添削が今後も増えて欲しいです。ありがとうございました。」
「(日本の)アニメが作られた当初からパースの意識があること、キャラの世界観にあう空間作りへの研究心を感じれて面白かったです。なんとなく流れで見てた1カットにも計算だったりが行き届いてて、凄かったのと、それを紐解いていくのが初心者にも分かり易く、もっと知りたくなりました。」
「ノイズが大きくて度々びっくりしました。1つの作品に深く触れてくれるので面白かったのですが、ペースをもう少し上げて、他の議題にも触れて欲しかったです。」
「特に同時代に見たアニメの解説は興味深かったです。」
「(リモートによる講座は)自分のペースで聴講することができるのでいいです。」
「レイアウトを勉強し始めたばかりで何を理解しておかなければいけないのかわからず漠然としていましたが、何故その技法を用いるのかや、どういった人がその様式を作り出してきたのかなどの流れを知ることで、表現を選択していくための手掛かりを見つけられたので大変良かったです。」
「通信環境により音声が途切れてしまう部分と、映像を見られなかったのは少し残念でした。しかし、仕事が忙しい時期であったので自宅で講義を受けられたのは助かりました。」
「いきなりパースの技術論から入らず、時代ごとの要求から入ったのは良かったと思います」
「望遠から広角にスイッチする話など勉強になりました。」
「地方で主に仕事をしているため、業界の蓄積された歴史を本講座のような形で受けられる事に大変感謝しております。アニメ業界、なかなか厳しい状況は続きそうですが、自分なりに頑張って貢献できればと思っております。とても参考になりました。ありがとうございました。」
「ルーツを辿りながら覚えられるのが良かったと思いました。ただ、途中で作品そのものの内容説明等が入ると、ちょっと脱線気味になるなと感じました。それも含めて大事なことかもしれませんのであくまで感想です。」
「ノイズ対策をして頂けるとなお良いと思いました。JAniCA様の講習は東京に住む人の特権だと思い、ずっと羨ましく思っておりました。コロナの影響で世間は大打撃ですが、私の様な地方に住む人間にもチャンスが巡って来たことに嬉しく思います。是非、今後世間情勢が回復したとしても続けて行ってほしいと思います。何卒宜しくお願い致します。」
「アニメの演出講座や基礎的なタイムシートの説明など、基礎講座を受けたいと思いました。既に行っていたらすみません。」

◯講座を振り返って

 いつもと違って今年は新型コロナの影響で、この歴史編の講座もネットによるリモート開催になりました。 そのため今までとは違った講座の仕方になり、至らなかった点が幾つも発生しました。 特に、想定以上に講座時間が長くなったことについては完全に私の計算・判断ミスでした。 アンケートでもその点の御指摘多数頂きました。受講者の皆様方に深くお詫び致します。 一方で、今回のリモート開催そのものに対する反応が大きかった事は特に勉強になりました。 反省点を振り返りつつ、ぜひぜひ今後の課題にしたいと思います。

皆様、感想・御意見ありがとうございました!

☆参加 正会員・無料正会員:10名 準会員:2名 賛助会員:1名 一般:11名

※本講座が使用する映像や資料は著作権法に準拠し、引用の範囲で素材を使わせて頂いています。