■井上俊之さん小黒祐一郎さんと一緒に『もっとアニメを観よう!』

井上俊之さん小黒祐一郎さんと一緒に『もっとアニメを観よう!』アフターレポート

去る3月24日、桜の花が満開を迎えた中、三鷹市の三鷹ネットワーク大学で、JAniCA講義「井上俊之さん・小黒さんと一緒に『もっとアニメを観よう!』」が開催されました。その模様をレポートします。


会場は三鷹駅最寄りの、三鷹ネットワーク大学です。
駅から歩いて5分の立地的にも、講座として各種の映像を使える設備的にも、大変有難い施設でした!


開始を待つ講師の小黒さん、井上さん。


開催準備中のスタッフ。


受講者は、年齢構成が20代から50代までの広範囲に渡っての参加になりました。


欠席者も出ましたが、スタート時間前からかなりの受講者の皆さんが集まってきました。


遅刻の方を待つ間、井上さん・小黒さんから今回の講座の狙いが説明されていきます。


井上さんが、持参の政岡憲三さんの資料を拡大映写して解説しています。


休憩時間を一回も挟まないで、上映と解説と質疑応答で
3時間近くあった密度の高い講座を、皆さん熱心に受講されていました。


事前に『井上さんアニメ作画史観』によって厳選され、編集されたアニメ作品の映像を交えて、どのカットが見所か、誰が作画したカットか、何が当時画期的だったか、何を意図して作画されたか、それが後にどのような影響を与えていったか、等々の解説が、井上さん・小黒さんによってなされていきました。
井上さんによる高密度な解説と、小黒さんによるポイントを押さえたリードで、60年にわたる日本アニメ史を、『井上さん作画史観』による明快な筋を追って縦断していく、大変聞き応えのある講座でした。

※講座内で配布された資料はこちら。 「作品リスト」「年表」

※アンケートで寄せられた感想(抜粋)です。

・時間通りに収まった事に感動。アニメーター自身が作画技術を時代を追って体系化した貴重な講義だと思いました。映像の上映があることがやはり面白いですね。
・前半映像の音が大きく、コメントが聞きづらかった。音が無くても良かったかも。地方ー大阪でも講座を開いて欲しい。(企画出せばよいんですか(笑))
・面白かったです。聞き応えがありました。
・60年代からの流れを改めて整理して頂けたので、今アニメーターとして何を模索してゆくべきかその方向性のような物をどう改めて探す根拠を見せられたような気がします。ぜひパート2の井上さんガンモ特集を観たいです!
・作画の進化の歴史を何十年かという尺度で振り返るという見地から、今後自分たちが進むべき道が見えてくる部分もあると思いました。改めてこれからの若い世代がどんなアニメを作り出していくのか、作らなければならないのか、自分に突きつけられている部分も含め楽しみです。
(講座を)ネットに上げて見れるようにしてはどうでしょうか?
・アニメ作画の歴史を実際の映像をふまえて勉強ができたのが良かったです。井上さん等にもっと技術的な講義を行ってもらいたいです。
・webアニメスタイルで「もっとアニメを観よう」の記事を読んでいて、実際に観てみたもの、観ていないものもたくさんあり、どちらも「詳しい方の解説を聞きながら一緒に観たいと!」と思っていたので、とても嬉しい企画でした。私はあまりアニメに詳しくない方(だと思う)ので、作画のすごいアニメを観て「よく動く」「よく描きこまれている」等、パッと見のすごさは気づけるのですが、それ以上のつっこんだ話や歴史の話などを交えてお話し下さり、とても勉強になりました。
・70〜80年代のアニメに感化されたアニメーターなので、上映作品は全て見ていましたが・・・オッと思う所にお二人が必ずコメントを入れて下さるので楽しめました。初心に立ち戻って仕事がんばりたい。今回は若い人のための昔の作品の紹介でしたが、次は中年のための最新の作品を。
・今日は、40年代の古い作品から。90年代初頭の作品が解説つきで見れて面白かったです。シンプルな絵柄から密度の高いになってゆり戻し(?)起こってるけど、そこでもシンプルでも新しい表現が加わっていく流れがよくわかりました。今日見た作品を参考にして、昔の作品を探したいと思いました。ど根性ガエルが印象に残りました。
・とても面白かったです。アニメ作画史についてもっと知りたくなりました。名前の出たアニメーターの方についてもっと掘り下げた話があるといいなーと思います。
・とてもわかりやすく選抜されたもので見れたので、大変勉強になり満足いたしました。これを取っ掛かりにして、また、いろいろ見てみようと思います。ありがとうございました!!(素晴らしい企画でした!)
・とても面白かったです。仕事のモチベーションが湧いてきました。
・ものすごく衝撃を受けました。勉強になったので、ぜひ次も期待しています。
・映像のボリュームに対して講義の時間が短かすぎる気がしました。次回やるのであれば、一つの作品に対して作画的な方向で掘り下げて欲しいです(スローやコマ送りを使って解説する等)。新人原画マンが教育を受ける機会が少ないと思うので、新人に対する指導も含む講義も増やしてもらえると嬉しいです。
・井上さんのお話が聞けてとても嬉しかったです。ぜひまた開催して頂きたいです。
・時代ごとの「アニメーション制作思考」と、「人間(スタッフ)の繋がり」が断片的ではあるが、理解できて面白かった。普段では見れないPVが見れたことも大変良かった。
・動きをいろいろな作品で見られて参考になりました。現在の持ちシーンで自分のやりたい動き試してみたくなりました。
・最後に言われていたように大量のアニメの中から何を見るか、というのはとても重要だと思いました。その意味でも今日は大変贅沢な時間で楽しめました。ありがとうございます。キャラデザインの歴史も見てみたいと思いました。
・演技としての動き方について、どう考えているかを教えて欲しい。
・ネットの記事を見ていたが。時差に映像見てない作品もあり見れて良かった。井上さんの語り口が熱くて印象に残った。
・2時間半の講義は長いかと思いましたが、あっという間でした。大変面白かったです。マイクはもう少し大きい方がいいかも。
・非常に知的好奇心を刺激されました。昔の作品に触れる機会が少ないので、今後機会をふやしてだけど助かります(特に80年代の後OVA系など入手が難しい作品)。
・ぜひ、第2弾第3弾の企画をお願いします。(今回紹介しきれなかった作品、人物や、他の方の作画、アニメ史観など)
・歴史的な研究内容がとても勉強になった。ロフトプラスワンよりも良い環境なので、今後もこうしたイベントはここで開催して欲しい。
・見たことのなかったアニメを見られたり、井上さんのお話も合わせて聞けて、有意義な時間でした。講義全体の構成も面白かったです。イベントのために上京して良かったと感じました。
・井上さんの独自の史観ということで、JAniCAとしてテキストにまとめるの難しいのかもしれませんが、今日の参加者以外にも届く形にはして欲しいと思いました。作画を語るボキャブラリーも参考になりました。


皆様、感想・御意見ありがとうございました!


☆参加 正会員:35名 賛助会員:4名 準会員:2名 一般:19名 関係者:1名

※本講座が使用する映像は著作権法に準拠し、引用の範囲で素材を使わせて頂いています。